■解説3 |
|
Bill Bruford's Earthworks featuring Tim Garland ≫Message ≫解説1 ≫解説2 ≫解説3 ≫Photo1 ≫Photo2 ≫リンク |
'01.02.09: Bill Bruford's Earthworks in TLG |
公演日
公演場所:2001年2月9日 Tribute to the Love Generation Musicians: Bill Bruford (dr)、Patrick Clahar (sax)、Steve Hamilton (p)、Mark Hodgson (b) アースワークスというバンドはプログレッシブロックで有名なビル・ブラッフォードというドラマーがジャズをやるために組んだバンド…、と私は認識してるが(^^;)、あまりプログレに詳しくないので、間違っているかも知れない。 10年程前に、興味本位でCDを聞いたおぼえがあるが、すっかり忘れていた。来日の話を聞いて正直「まだやっていたのか?…」と思ったのだが、最近ヨーロッパ人のジャズ(ブラッフォードはイギリス人)…というのに興味があることもあり、見に行った。 10年以上前からあるバンドだが、メンバーがブラッフォード以外、結構若かったので、メンバーの入れ替えはおこっていると思う。メンバーはわたしが不勉強なため、ブラッフォード以外知らないのだが、サックスはインコグニートの人らしい?…。 さて、サウンドであるが、かなり興味深かった。ピアノはグランドピアノのみ、ベースはウッドベース、そしてドラムとサックスと完全にアクゥースティックだが、なぜか出てくるサウンドがフュージョンぽい。うまく表現できないが、70年代後半のマイクマイニエリとかブレッカーとか、メセニーとかのサウンドに近いコード感覚を感じる。それはおそらく、ピアノとかのコードボイッシングからそういう印象を受けるのかも知れない。また、ブラッフォードゆえかも知れないが、ほとんどの曲が変拍子を用いている。しかしやはり何十年も変拍子を演奏しているからだろうが、ブラッフォードのドラミングからは「いかにも変拍子」という感じがあまりしない。実に自然に流れるように、演奏している。しかし変拍子ゆえに、バックビートとかジャズ特有のグルーブが全くなく、編成がアクゥースティックジャズなのに、なぜか全然ジャズに聴こえない。フュージョンぽいとは書いたが、その辺の雰囲気も手伝ってか、全然古くさい手垢のついた、サウンドではなく、独自の雰囲気を感じる。正直言って、懐かしいフュージョンのサウンドを新鮮に現在進行形のサウンドにしているといえるかも知れない。 ちょっとだけ、各メンバーの演奏の印象を書くと、ブラッフォードはマッチドグリップでスティックを握ってるせいか、すべてのタム、スネアがすべて水平に同じ高さで並んでいるというちょっと珍しいセッティング。グルーブするというより、細かく細分化して、音の粒子をばらまくようなドラミング。サックスはやたらうまい。変拍子だったり、変なフレーズのテーマを非常に安定した音色ですらすらと吹くのにはちょっとびっくりした。サックスにちょっと深めのリバーブをかけてる辺りも、ちょっとヨーロピアンな感じがする:-)。ベースは変拍子が多いせいもあるが、ウッドなのにランニングベースをひかない。オブリガード的なフレージングが主体であり、この辺もジャズっぽくないと思わせる原因なのかも知れない。 ピアノは、上述の通り、現代的なコードワーク。タッチも結構繊細だった。 というわけで、期待以上に、ヨーロッパ的ジャズ(?)というのを、聴いたという感想。正直にいうと、非常に私ごのみのサウンドで、いままでちゃんと聴いていなかったのを後悔した。 CDを買おう:-)。 (by たろ 「たろ@Fusion Music Line」 : Feb. 15 2001 ) |