チェコ・プラハを基点として活躍するベース奏者 Vit Svec Trio (ヴィート・シュヴェツ・トリオ)
率いるジャズ・トリオが2007年5月に初来日を果たす。
2000年にプラハで結成されたトリオは、ピアノとドラム奏者の入れ替えを経て2003年初めに現在のメンバーとなった。その間、デビュー・アルバムが「2002年ベスト・チェコ・ジャズ・レコーディング」としてHarmonie
誌より選定されている。
2004年には二作目のアルバム “Keporkak” がリリースされ、日本でも高く評価された。コンピレーションCD「寺島靖国プレゼンツJazz Bar
2005」にもヴィート・シュヴェツ・トリオの曲が採用されている。

メンバー
Vit Svec ヴィート・シュヴェツ ダブル・ベース
Matej Benko マチェイ・ベンコ ピアノ
Jan Linhart ヤン・リンハルト ドラム
レパートリーはオリジナル曲が中心だが、スタンダート曲を現代的に解釈したものもある。作曲はバンド・リーダーであるヴィート・シュヴェツとスロバキア出身のマチェイ・ベンコが行っている。
ときにリリカル、ときにパーカッシヴなピアノは緻密に組まれた幾何学文様を描き出すかと思えば、思わずハッとさせるテンション・コードを打ち出す。そしてときおりラテン的明るさをヨーロッパの影を引きずりながらも歌う。このメロディーラインをリーダーであるベースと繊細だが確実にリズムを刻むドラムが支える。ヨーロピアン・クラシックの素養がバンドに確かな技術を与え、洗練された曲が生み出される。リズムが一癖も二癖もある中、それぞれのパートが自由に舞うのだが、ピアノ・ベース・ドラムの一体感はゆるぎない。トリオとしては近年でも指折りのダイナミズムが感じられる。
歴史の奥深いところでたえず芸術を育んできたプラハだからこそ、このトリオが生まれたのだ。ヨーロッパの新たなハイセンス・ジャズを堪能したい。 |