Incoherence Peter Hammill (2004年) |
≫歌詞 ≫和訳 |
■タイトルについての解説
原文は小文字で始まる incoherence が題名となっていて、かつ単語の最初の in の部分、つまり接頭辞が別の字体で書かれている。ここまでがアルバム自体で示されていることの全てで、ここからは解釈となる。
incoherence は 反対の意味を表す接頭辞 in と coherenceとから成る。通常、辞書的には incoherence は一つの単語として「支離滅裂、非一致性、首尾一貫していないこと、つじつまの合わないこと(言葉、考え)、たわごと」などと訳される。
coherence は「統一、まとまり、一貫性、結合、密着、統合力」などと訳される。
P.Hammill は彼がNewsletter で述べている以上は説明していない。よって、これから先の解釈は歌詞を聞く・読む人、音楽を聴く人に委ねられている。例えば、支離滅裂の内容を41分以上連続して「統合」しているので、それを表しているとも解釈できるし、in
coherence という風に、in を接頭辞でなく、前置詞として配置すると意味はむしろ逆のものになって、「統一的な、つじつまの合った」内容となる。また、coherence の動詞形 cohere の hereの部分の原型となったラテン語は「くっつく」という意味をもっているということだから、41分間、曲が「くっついた」状態を表しているともいえる。
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